愛工房 伊藤好則さんと杉のお話

先日、木材の低温乾燥機「愛工房」の開発者 伊藤好則さんを訪ねました。
https://aikobo-ikk.com/


伊藤さんは何度も
「木はモノじゃない、生命(いのち)なんです」
と話してくれました。


「人が植えた杉が、50〜60年経って、良い杉にならなかったからといって、ゴミ扱いするのは、命に対して、してはいけないこと。」


「命をどうやって生かすか、それを考えなければいけない」と。

「節があったって、腐れがあったって、それを認めて活かすことが大事。腐れ部分を除けば十分に建材として使える」と。

「千葉の山武杉は病気(溝腐れ)の木が7〜8割占める。だったら病気を当たり前として活かすことを考えないと。」
そういう木、杉への愛から開発したのが木材の低温乾燥機「愛工房」。


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通常の木材乾燥機は100度以上の高温で乾かすそうです。それだと木の水分だけでなく、酵素や精油分(防虫成分、芳香成分、癒し成分)も飛んでしまい、カサカサの木材になってしまう。

いわゆる、ホームセンターなどで売っているKD材(Kiln(キルン=窯) Dried)。
KD材はノミで刻む時も、パサパサで削りにくい。

このことは、前にも触れましたが、以下ホームページが詳しいです。
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●綾部工務店さんブログ「木の乾燥(どちらを選ぶ)」

https://ayabekoumuten.jp/daiku/74
●大工 林修巳さんブログ「木材について(強制乾燥と天然乾燥)」

https://www.hayashikenchiku.jp/%E6%9C%A8%E6%9D%90%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
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そして、乾燥機にかけずに、自然に乾かすことを、天然乾燥と言い、その木材はAD材(Air Dried)と呼ばれます。昔はこれ一択でした。ただ、木が乾くには長い時間がかかります。

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そこで愛工房の登場です。
愛工房は45度で木を乾燥させる。
伊藤さんは、人が入っても大丈夫で、気持ちのいい温度、気持ちのいい空間が、木を殺さないと考えたのです。乾燥機の室内も木で作る。そこはまるで癒しのサウナでした。

45度だと精油分も飛ばず、木が生きたまま、数週間で汗をかくようにして、乾くそうです。
愛工房で乾かした木は、天然乾燥と同じくらい匂い、香り、艶がしっかりあります。これが生きている証でしょう。
伊藤さんは、「木は生きてるんです。呼吸するんです。」と何度も言いました。木は空気を浄化してくれて、調湿してくれて、生きている木に囲まれて暮らすことで、人も元気になると。
実際、愛工房の杉材で建てられた家に住むと、精神的に安らぎ、ストレスが減り、健康になる人が多いという。

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伊藤さん曰く、「愛工房という乾燥機が素晴らしいのではなく、「杉」が素晴らしいのです」と。
伊藤さんが教えてくれました。

杉の学名は「クリプトメリア・ジャポニカ」・・・意味は「隠された日本の財産」です、と。
「どうして海外から木を輸入するんですか?」
「もっと杉を見直してほしい」
「日本人は杉を活かし、杉に活かされてきた国。建築しかり、船もそう、酒ダル、味噌ダル、醤油ダル・・・昔は全部杉です。意味があるんです。」

今年、84歳になられる伊藤さんのお話には熱があり、愛があり、希望がありました。お会いできて良かったです。感謝。

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